6月21日のニュース

雑記

なーんか気分が乗らないなー。本も読みたいしなーと長らく放置していたのだけど、突如ふっとヤル気がもりもりと湧いてきて更新する気になったので更新する。そもそも始まりはWhite Album2(えろげー)にドハマリして、寝る時間すら惜しんでやっていたらいつのまにかこのサイトの更新をすっかり忘れていたのだった。

いやあ、恐ろしいゲームだった。どれだけ恐ろしいかって、主人公の男が二人のヒロインの間で揺れ動いてデンジャラース!! 裏切り!! 葛藤!! うわあああ!! って作品なんですが、これが展開と構成が非常にうまくて……。簡単に説明すると、エロゲーのルート制があって、あれが僕は嫌いなんですが、まるで地獄めぐりみたいに各ルートをまわることによって主人公がプレイヤー側から見た時に成長していくのが見えるんですよねえ。

もう少し説明しましょう。このゲーム、前編と後編で分かれて出ています。前編では一人の男の子と二人の女の子を巡る高校生活を扱い、後編ではいわゆるサブヒロインがパーっと出てきて、メインディッシュの高校の頃の女の子二人も続投しています。高校生活編で主人公の男の子は精神に深いトラウマをおって、三人の関係はぎくしゃくしてしまいます。

で、「地獄めぐりみたいに各ルートをまわることで主人公が成長していくのが見える」と書いたのがこの後編のルート。正直言って前編だけだとなんか怖いどろどろした話だなあってぐらいで終わっちゃうんですが、この後編でこの物語が化ける。前編で傷ついた心のトラウマが、後編の各サブヒロインを一人ずつ攻略していく(ヒロインたちの問題の解消)ことによってより客観視し、浄化していくことになります。

このサブヒロインが、後輩・同年代・社会人の先輩 と年代的にわかれていて、後輩が主人公の男の子自身の投影、同年代と社会人の先輩がそれぞれ高校生活の時のメインヒロイン女の子一人ひとりに該当しています。このサブヒロイン達との間に立ち上がってくる問題を解決、人間性を理解し受け入れ変化していくことによって、その後の本命たる二人のシナリオに行くまでの「心の準備」が出来るわけなんですね。

たぶんですけどエロゲーシナリオを書く人達の中には、「世界をひとつにまとめあげたい」という欲望があると思います。綺麗にすっきりとした形にしたいというのかな。ルートごとに全く別の話を作り拡散した形をとるのではなく、それらを統一させた形でまとめあげたいと。だからこそエロゲーのシナリオで傑作と名高いものにはループものが多いのです。

で、一方でその「ループ物としてのまとめあげる手法」というのは、まだまだおもしろいものが多数あるとしても、「それ以外にはないのか?」っていうのも正直なところでした。それ以外にないのかっていうのは要するに、「ルートごとに物語を統一させた形としてまとめあげたい」とライターが思った時に、それをまとめあげる手法として「ループ以外」はないのか? っていう話です。

このWhiteAlbum2という作品は、別にループ物ではないです。主人公の記憶が各ルートごとに繋がっているわけではないし、話としてはそれぞれ何のつながりもなく別個のものとして成り立って、みんなそれぞれ幸せになったり不幸になったりしています。ただそれらを超えて存在しているのがプレイヤー側です。プレイヤーだけは各ルートで主人公がとってきた行動がすべて積み重なって記憶されていきます。

ループ物の利点っていうのはこういうところもあって、「超越者としてのプレイヤーの気持ち」と「超越者としてループする主人公の気持ち」がシンクロしたときに、きっと物語に快感を覚えるんでしょうな。ってそれはいいとして、言いたいのは、WhiteAlbum2は「ループ物ではないが、ルート毎の物語に統一感を与えているからこそ面白いのではないか」ということです。

先に書いたように、この物語は後編で各サブヒロインたちを地獄めぐりしていくのですが、その過程で自身と、トラウマを作った原因たる二人のヒロインの仮想的な投影のヒロインたちとの恋仲にいたってエンディングに至るまでの問題解決があります。+後輩と同級生と先輩とそれぞれの年代から、ありとあらゆる全方位支援を受けることによって、傷ついたトラウマの解消を別々のパターンで見ていくことになります。

その後、メインたる二人のヒロインへとうつっていくわけですが、主人公はそれと意識しないでも、読んでいる僕からすればそれぞれの仮想敵と前哨戦ともいえる戦いを繰り広げてきているわけであって、気分はもう「さあ、ここからラストバトルだぜ」ってな感じです。実質ルート的にはどこからでも入れるようになっているようですが、でもこれは絶対想定の流れがあるもんなあ。

「傷をおった主人公」が「仮想的な、練習としての癒しの過程」を進んでいく。そして「癒しを受けた先に、元来あった最大級の問題に立ち返っていく」っていう、ルートごとにどんどん前へと進んでいくのが構成として面白いところです。どんどん前に進んでいくことによって、ルートごとは独立しているけれど、統一的な物語としての意味が生まれている。

最後にダブルヒロインのどちらかと結ばれた時に、そこまで経てきた地獄めぐりのヒロインたちの癒しの過程を思い出して、僕は一人泣いた。踏み台にされた(と僕が勝手に解釈している)ともいえるサブヒロインたちの為に泣いてやれるのはプレイヤーだけだ。そして幸せになった二人をみて、そこまでの道のりがいかに長かったか(プレイ時間的に)を思い出して、その重みに泣くんだ。

ちなみに僕は片方のヒロインに思い入れを強くしすぎてしまって、もうひとりのメインルート、Trueルートとでもいうべき方をすすめる気がまったく起きなくなってしまったぐらいです(Kanon問題で有名な、ルートのあるノベルゲームでは片方のヒロインをとるともう片方が不幸になってしまう)。

あのねえ、たかだかゲームで非実在のキャラクターが苦しもうが泣こうがどうでもいいんですけど、どうにもそういう問題じゃあないんだなあと思ってしまいました。真剣に考えては居ないけど、非実在性少年が虐げられているから規制しろという人達の気持ちがちょっとだけわかってしまった。非実在のヒロインが苦しむのを見るのが嫌だからゲームをクリアできなくなってしまったのだから……。

ってそんな話はどうでもよかったのでした。更新します。

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